表題番号:2020C-146 日付:2021/04/07
研究課題Ramanujanグラフのスペクトル分布について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 小森 洋平
研究成果概要

有限グラフを頂点から頂点へ辺を通して情報が伝わる通信ネットワークと考えると、伝達効率の良いグラフとしてRamanujanグラフが考えられる。Terrasによって元の個数がqである有限体上に定義された有限上半平面グラフのスペクトルは重複度も込めてEvansにより決定され、Katzにより有限上半平面グラフはRamanujanグラフであることが示された。スペクトルに重みを持つDirac測度の和は、qが発散すると有限 Sato-Tate 測度と呼ばれる確率測度に弱収束するだろうというTerras予想をqが偶数の場合に考察した。具体的にはそれぞれのk次モーメントがkが4までは一致することを示した。