表題番号:2020C-136 日付:2021/04/09
研究課題両生類の造血幹細胞の表現型と臓器分布に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 加藤 尚志
研究成果概要
本年度はコロナ禍の影響を受けて,当初予定していた研究の中でも実施可能な内容を吟味し,ツメガエル赤血球と栓球の細胞学的特徴と機能を精査することに集中した。抗ツメガエルEPORモノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーでは、ネッタイツメガエルの末梢赤血球の95%がEPORを発現していた。赤血球をEPOとともに室温でインキュベートしたところ,1.8±0.6個のEPO分子が1つの赤血球に結合できることがわかった。
ツメガエル末梢栓球に関しては,ヒト血小板発現糖蛋白質のアミノ酸配列をゲノムデータベース上でBLAST検索したところ、GPIIbとGPIbβのオルソログ遺伝子の登録を確認した。ツメガエル末梢栓球におけるこれらの遺伝子発現は栓球・白血球層で発現を認めたが、赤血球では発現を認めなかった。またGPIIbは、アフリカツメガエルの脾臓で発現を認めた。