表題番号:2020C-132
日付:2021/04/02
研究課題生存権の実現における「関係性」──自律を促進する構造転換の可能性
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 遠藤 美奈 |
- 研究成果概要
- 本研究は、J. ネデルスキーによる、法理論における関係的アプローチを用いて、生存権実現のための制度における関係性を把握し、福祉受給者の自律が促進されるような関係性を各憲法機関について構想しようとするものである。
他者への依存を常態とし、個人と国家の相互依存が個人の自律の促進に資するよう法と権利を構想し直そうとするネデルスキーの企図は、人間の主観的な属性に依拠せず、社会における等しい重要性の承認という間主観的な理念から基本的権利を基礎づける議論とも共鳴する。本課題では、関係性アプローチを念頭に置きつつ平等命題に基づく基本的権利論の分析を行うことで、関係性と生存権の基礎付け論の交錯点が確認された。