表題番号:2020C-120
日付:2021/04/06
研究課題戦争と情動――戦後日本文化と大量死の表象
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 五味渕 典嗣 |
- 研究成果概要
- 本研究では、主に「情動」という観点から、戦後日本文学・日本映画における「戦争」の描き方を再検討することを目標とした。とくに、(1)戦後日本において日本の「敗北」がどう語られたかに注目、「先の大戦」における敗北を語る語りが、一方で植民地帝国としての近代日本の歴史を総体として救抜し、「過去」としての戦前を懐旧的に想起する語りの基盤ともなっていたことを明らかにした。また、(2)戦後における戦場体験者の「沈黙」について、いわゆる「第二世代」のテクストに注目、戦争の暴力を抱え込み続けていた親たちを見つめる子どもたちの記憶を「もう一つの戦争記憶」として捉え返す可能性について検討した。