表題番号:2020C-119 日付:2021/02/06
研究課題日本語の文次元の意味における存在判断と実現希望に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 仁科 明
研究成果概要
 次の二点に重点をおいて検討を行った。
 第一は中古の「らむ」の用法の広がりの検討であった。とくに、述語体系の変化や周辺の構文変化とからめながら理解することであった。中古の「らむ」については、三代集に用例が集中する「静心なく花の散るらむ」型の用法の位置づけが問題になるが、そこについても、穏当な理解を導くことができたと考えている。
 第二は上代語の広義希望表現形式の多様性を整理・確認することであった。一口に事態の実現を希望する表現といっても、希望が表現される背景や理路は多様である。そこを意識しつつ整理を行うことで、穏当な整理を行う見通しを立てることができたと考えている。