表題番号:2020C-103 日付:2021/04/03
研究課題ポスト黒死病時代エジプト・シリアにおける家族と女性:寄進文書を手がかりに
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 五十嵐 大介
研究成果概要
2020年度は、ワクフ(寄進)文書を史料として、そこにあらわれる家族形態についての本格的な分析を開始した。12月に開催されたアウラード・アンナース(awlad al-nas)と呼ばれるマムルーク軍人の子孫の社会的役割に焦点を当てた国際ワークショップで、The descendants of Mamluks in waqf documentsというタイトルで発表を行った。この発表では、現存するワクフ文書から受益者や管財人を指定したワクフの規定がどのようなものであったか探り、マムルーク軍人にとって、自身の資産をワクフとして継承する資格がある「子孫」とは、どの範囲を指すのか、というマムルークの家族/子孫観を明らかにすることを試みた。