表題番号:2020C-095 日付:2021/05/13
研究課題オスカー・パスティオールにおけるソ連収容所体験の詩化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 山本 浩司
研究成果概要
コロナ禍で、海外渡航ができず、国内の図書館や研究室の利用さえも大幅な制限を受け、計画通りに研究を進めるのは困難を極めた。それでも2019年度末の春休みにウィーン文学館とマルバッハ文学資料館で収集した手稿や創作メモなど一次資料を手がかりにオスカー・パスティオールの作品にかすかに残るソ連収容所体験の痕跡を探す作業を地道に行った。同時に、ソ連収容所関連の歴史書、ドイツ語に限らず収容所体験を綴った記録文学や創作文学を広く渉猟して、言語遊戯的な詩の中に暗示的な形でソ連労働収容所移送体験を織り込んだ詩人の独自性を浮き彫りにできた。研究成果は、ドイツ語の研究論集と日本独文学会の研究叢書に発表した。