表題番号:2020C-086 日付:2021/03/07
研究課題デジタル画像復原技術を用いた仏教実践の総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 山部 能宜
研究成果概要

コロナ禍の関係で新たな調査や対面での学会発表はできなかったため、既撮影の画像資料の処理と分析を進めてオンラインで発表した。従来の私の仏教美術関係の研究は、新彊の禅観僧壁画に関するものと、敦煌の観経変相に関するものが中心であったが、今回は大英博物館所蔵の維摩経変相 Stein painting 57 を検討した。観経変相の場合、特に後期の作品には多くの写し崩れが見られ、そのため図像が経典の内容から大きく乖離していることが少なくない。Stein painting 57 の場合、観経変相のような深刻な経典からの乖離はないが、それでも若干の写し崩れは認められ、やはり類似の製作過程を経ていたことが窺える。