表題番号:2020C-060 日付:2021/11/26
研究課題日本における法曹倫理理論の確立に向けた発展研究―第三者に対する誠実義務
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 石田 京子
研究成果概要
本研究では、日本の弁護士の職務上の倫理について歴史的側面から検討し、これまで漠然とフランス法に基づくとされていたものが、必ずしもそうとは言いきれないこと、弁護士の前身である代言人への職務規則の制定の際に、イギリス法の影響を強く受けていたことを確認した。日本の弁護士依頼者関係について信認法理を基礎とした説明を行うことはその規律の源流に鑑みれば矛盾するものではなく、第三者に対する誠実義務についても英米法上の議論-弁護士の誠実義務は一義的には依頼者に向かうものの、その職務の公益性から熱心な弁護について一定の制約を課す-についても有益な示唆となることを確認した。