表題番号:2020C-055 日付:2021/01/27
研究課題不法行為加害者の責任意識の構造化と法的制裁:医療事故領域を素材に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 和田 仁孝
研究成果概要
本研究は、過失により被害、とりわけ人身被害を生ぜしめた場合に、加害者における責任意識がどのように具体的に構成されていく過程において、被害それ自体に対する認識と、他方で法的制裁の付与可能性が、いかなる形で交錯しながら、その責任意識や責任負担行動を構成していくことになるのかを検討しようとしたものである。責任意識については、責任観念(責任についての認知的側面)と責任負担(責任を何らかの行為によって負担する側面)に分析的に分離して考察した。いくつかのケース分析で背金意識の構造にかかわる仮説が構成できたので、今後は調査の量を増やすことで、より詳細な責任意識の構造的理解を進めていくことが課題である