表題番号:2020C-031 日付:2022/10/06
研究課題司法コンテクストにおける言語使用の特殊性・非特殊性を考える:語用論の視点から
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 首藤 佐智子
研究成果概要
2020年度はコロナ禍等の諸事情により研究の進捗が遅れ、2021年度に繰り越した。2年を通じて「脅迫」「ヘイトスピーチ」をキーワードに判例を検索し、そこで使用された言語表現の語用論的分析を試みた。判決文に示された表現に関しては文脈が必ずしも明確に示されているとは言えず、語用論的分析は困難であることが多かった。実際の司法判断には、表現そのものがどのように解釈されたかということを明確に示す内容は稀有であり、他の要因が大きな役割を果たしている事例が多いことが判明した。他の要因を言語表現の文脈とみなすためには使用表現が明確である必要があり、判決文に頼らずに実際の使用表現を入手する方法の模索を検討する必要がある。