表題番号:2020C-025 日付:2021/11/13
研究課題乾杯条例の全国波及と住民の法意識―相互参照の展開とその基礎にあるもの
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 大学院政治学研究科 教授 稲継 裕昭
研究成果概要

 本研究は、「乾杯条例」及びその全国波及の分析を通じて、住民の法令遵守意識等を考察し、日本人の法意識について改めて問い直すことを目的とする。

 2012年12月、日本で初めて京都市において「乾杯条例」が制定された。これは乾杯の際に清酒を用いることを推奨するものである。条例制定以降、京都伏見などの清酒の市内における売上が伸びた。

 乾杯条例は、奨励条例である。これは、①規制条例、②行政事務条例、③宣言条例(新しい理念や権利の創設を目指す)、④施策推進条例のいずれでもない。自治体と事業者と住民の協力関係の構築を条例という法形式により行おうとするものである。そこに、日本人の法=権利意識の特殊性、地域=自治体の特性が表れているのではないかという観点からヒアリングを中心に調査を行った。