表題番号:2019R-090 日付:2020/04/04
研究課題新たな古代エジプト美術史への模索:遺物と模造品と「エジプト趣味」の関係性について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 安岡 義文
研究成果概要
本研究では、古代エジプト文明が後世に与えた影響を美術史の中で捉える研究を近い将来展開していくための準備段階として、当該テーマに関する基礎文献の収集、欧州と日本におけるエジプト趣味の影響と思われる事例を各一例ずつ取り上げ分析を行った。欧州では、ニュートンのオカルト研究に着目し、また日本では、近代の建築界を牽引した関西の武田五一と関東の塚本靖の建築思想に着目し、エジプト美術の果たした役割を分析した。概して、美術の在り方を考えるにおいてギリシア・ローマ美術が見本とされた陰でエジプト建築も少なからず研究されていた様子が窺われ、今後その実態を解明し、より正確な歴史像を描くことが期待される。