表題番号:2019R-074 日付:2020/04/10
研究課題コンピューテショナル・シンキングを考慮したカリキュラムと評価方法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 橘 孝博
研究成果概要

高等学校では、2022年度から新学習指導要領が施行される中で、生徒たちの学びの形態の変革が問われている。大学生に対しても同様で、大学のLMSなどを活用して様々な遠隔授業が展開できる現在、内容の充実がますます求められている。

本研究では、本年度の取り組みとして、まず、学習環境の分析をテーマとして設定した。初めに、20193月末に、本研究代表者を含むコンピュータ利用教育学会(CIEC)の数名のメンバーで米国Duke大学を訪問しICT環境と教育現場の具体的な取り組みを視察したが、その成果を分析した。重要な点として、ICT環境を、運営や活用を担う管理部門と、教育活動を担う教育部門に分けること、つまり、教員や学生に対するデバイス管理や技術指導などと、授業補助や利用講習会担当などを分離した方が効率的である事が挙げられる。また、学生の自主的な学習活動を保障するためにラーニングコモンズの充実も必要である。さらに、大学のLMSにおいて、多くのオンデマンド講座を有することも必須であると分析した。

次に、20198月には、CIEC主催の2019PC-Conferenceがあり、シンポジュウム(テーマは「学生の質の高い学びを支援する教育の近未来」)が開かれたが、Duke大学視察の成果を生かして、コーディネーターおよび司会などを務めた。このシンポジュウムでは、Duke大学からの報告者以外に、早稲田大学、甲南大学などからの報告もあった。そこでは、ラーニングコモンズやLMS活用事例が紹介され、活発な意見交換がなされた。

高等学校の授業向けコンテンツの作成にも取り掛かり、情報科や物理科で利用できる反転授業用のオンデマンド学習教材作成を始めた。これにより、物理の授業の実験で、事前に実験器具や手順などをオンデマンドで予習させておき、実際の対面授業では反転授業として、それらの部分を効率的に省くことを目指している。