表題番号:2019R-070 日付:2020/03/30
研究課題日本におけるEMIプログラムの大学生の学習アイデンティティの変容
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 助手 畔上 絵里香
研究成果概要
本研究の目的は、日本人大学生の学習アイデンティティに注目し、国内のEnglish medium instruction(EMI)プログラムにおける学びの過程を把握することであった。学生のEMIプログラムにおいての自己に対する考えや自覚するcultural capitalを把握するために、学生および卒業生に対して聞き取り調査を行い、さらに、EMIプログラムでのlanguage ideologyを把握するために、教員にもインタビューを行った。調査の結果、特に「純ジャパ」アイデンティティを自称する学生は、入学当初留学生や帰国生に比べ英語学習経験が少ないことにとらわれ、それまで培ってきた思考力や知識などを活かすことができていなかったことが判明した。さらに、EMIプログラムに浸透しているNative Speakerismがcultural capitalの認識を阻んでいる様子がうかがえた。だが、EMIプログラムでの多様なバックグラウンドを持つ学生や教員との交流や留学経験により、自身のcultural capitalを認識し学習に活かす姿勢などが聞かれ、英語を中心とするアイデンティティから自己が持つcultural capitalを中心とするアイデンティティへ変容していったことがうかがえた。