表題番号:2019R-059 日付:2020/02/13
研究課題老化の制御におけるマイクロRNAの役割
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 教授 秋本 崇之
研究成果概要

 すでに超高齢社会を迎えた我が国を含め,先進諸国において人口の高齢化が進んでおり,高齢者の健康問題のみならず介護・医療費の増加による経済的負担の増加,生産年齢人口の低下等が大きな社会課題となっており,これらに対応することが世界的にも喫緊の課題となっている.このような超高齢社会の到来の中で,「老化」の生物学的本質やそのプロセスに関する科学的なエビデンスがこれまで以上に注目されている.老化の原因を解明することで,老化関連疾病の対策発見が期待でき,介護や医療に費やされる社会保障費の削減のためにも必要であると考えられる.老化の原因に関する仮説(老化仮説)として,プログラム説,活性酸素説,テロメア説,遺伝子修復エラー説など様々な仮説が提案されているものの,高等生物の動物個体における老化を説明できる仮説は存在せず,老化の原因はいまだ解明されていない.

本研究では,我々の研究室で作製したあるマイクロRNAの遺伝子改変マウスにおいて偶然見出された「老化加速」表現型を解析するための予備的な検討を行った.