表題番号:2019R-054 日付:2020/04/03
研究課題戦間期におけるテュルク系ディアスポラのネットワーク展開と「ウザクバイ」
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 助手 小野 亮介
研究成果概要

本研究は、テュルク系ディアスポラに注目した日本によるアプローチを中心に、戦間期における彼らのネットワークを考察することを目的とした。具体的な対象として、アフガニスタンにおいて日本人武官の宮崎義一少佐、通称「ウザクバイ」らと接触したトルキスタン人亡命者スルタンベク・バフティヤールと、彼らの活動をパリ在住の有力な亡命者ムスタファ・チョカイに書簡で報告したソ連のスパイ、マフムート・アイカルルという人物に焦点を当てた。

アイカルルの報告が誇張を含んでいる可能性も否定できないが、バフティヤールと宮崎との協力関係は、満洲国・蒙彊政権に続く傀儡国家を中国西北部に樹立しようとした関東軍の「防共回廊構想」などと一致するものであり、概ね実情を反映しているものと評価できる。