表題番号:2019R-048 日付:2020/04/10
研究課題社会科学の還元可能性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授 吉田 敬
研究成果概要
 本年度は、社会科学の還元可能性を検討するにあたって、ジェリー・フォーダーとジェグォン・キムによる、心理学の還元可能性に関する論争を出発点とした。この論争における重要な概念が多重実現可能性である。これはある心的状態を物理的状態に還元しようとしても、その心的状態を実現するような物理的状態は複数存在しうることを意味するものである。社会科学の哲学においても多重実現可能性の応用可能性が検討されている。本年度は多重実現可能性を軸に、キース・ソーヤーの社会法則擁護論、社会生物学や進化心理学の還元主義的研究プログラム、そして、アレクサンダー・ローゼンバーグの社会科学無効論を検討した。