表題番号:2019R-042 日付:2020/04/09
研究課題受容体型チロシンキナーゼの切断による抗体医薬耐性獲得機構の解明とその克服の試み
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 仙波 憲太郎
研究成果概要
新規ERBB2切断酵素として同定したプロテアーゼTMPRSS4について、ERRB2と協調した腫瘍悪性化及びERBB2を標的とする抗体医薬Trastuzumab に対する耐性への寄与について検討した。乳がんにおけるTMPRSS4の発現と予後の関係を解析した結果、HER2陽性サブタイプのみにおいてTMPRSS4の発現が予後の悪さと相関し、病態悪化への寄与が示唆された。また、ERBB2とTMPRSS4を発現する細胞株をマウスに移植しTrastuzumab に対する感受性試験を行ったところ、ERBB2のみを発現する細胞に比べ感受性が低下していた。この結果は、受容体型チロシンキナーゼを標的とする抗体医薬に対する耐性獲得機構の一端を明らかにするものである。