表題番号:2019R-004 日付:2020/02/13
研究課題医療事故調査制度の法的制裁関連機能の研究:紛争抑止機能及び訴訟促進機能の交錯
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 和田 仁孝
研究成果概要

本研究は、医療事故調査制度のもとで提出された事故報告書が、実際に民事訴訟に援用され、あるいは刑事訴追に援用されている可能性を精査することを通じて、①この医療事故調査制度が、現実にどのような社会的機能をもち、訴訟や法的制裁との関係でいかなる効果を及ぼすのか、②また設置された第三者調査機関は、紛争抑止を目指す厚労省や医療法が示す基本的役割をどの程度遵守し、あるいは逸脱しているのかについて検証したものである。現時点では、事故調査の結果が訴訟の増加に直接影響した可能性は少ないが、他方、産科医療補償制度はその原因分析報告書が、脳性麻痺事案について訴訟の増加に影響していることが判明した。