表題番号:2019Q-054 日付:2020/04/02
研究課題生体内コラーゲンの分子状態の可視化と医療への応用を目指した新規環状ペプチドの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小出 隆規
(連携研究者) 先進理工学研究科 修士課程1年 金井沙也伽
研究成果概要
我々が開発した環状コラーゲン様ペプチド(cCMP)は、コラーゲン3重らせんの緩んだ部分にハイブリッド形成することにより、それを検出できるプローブである。しかし、保存中にcCMP同士がオリゴマー化し、変性コラーゲンへの結合能を失うことが問題であった。今回我々は、cCMPを構成するペプチド鎖内に、O-アシルイソペプチドを導入したものを設計・合成した。このO-アシルイソペプチド型cCMPは、酸性水溶液中では安定に存在したが、pH7.4に変化させることで、ONアシル転移反応によりアミド型cCMPに変換され、変性コラーゲン結合能を獲得した。今回開発したcCMP前駆体は、変性コラーゲンを標的とした新規セラノスティクスのプロドラッグとして有望である。