表題番号:2019Q-035 日付:2020/04/09
研究課題社交不安症における自己注目と脅威モニタリング:注意制御不全への介入方法の最適化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 熊野 宏昭
(連携研究者) 早稲田大学人間科学学術院 講師 富田望
研究成果概要
 本研究では、社交不安症における注意の偏り(自己注目、脅威モニタリング)を制御する「メタ認知的信念」の介入効果を検討した。社交不安傾向を有する大学生22名を介入群と統制群に振り分け、介入群にはメタ認知的信念に関する心理教育を実施した。効果指標としては、社交不安症状を測定する質問紙と、注意の偏りを測定する認知課題およびスピーチ課題時における視線の停留時間を用いた。その結果、介入群において、社交不安症状は有意に低減したが、注意の偏りは有意な変化が示されなかった。以上より、メタ認知的信念への介入は、注意の偏り自体への直接的な効果はないものの、社交不安症状を低減する上で有用である可能性が示唆された。