表題番号:2019Q-007 日付:2020/11/16
研究課題東大寺僧奝然・永観の思想・行動とその影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 吉原 浩人
研究成果概要
 摂関期・院政期における僧侶と文人貴族の思想研究は、いまだ解明途上にある。本課題では、奝然(938~1016)と永観(1033~1111)という、二人の東大寺僧とその周辺の人物を中心に、中国と日本の関係を視野に入れつつ研究を進めた。奝然は、建国直後の北宋に入り、皇帝に謁見し多様な文物を将来した。永観は浄土思想に傾倒し、『往生拾因』『往生講式』などの著作がある。ともに、のちの日本仏教に大きな影響を与えている。本研究の成果は、中国と日本で、6回の招待講演によって内外に公表したが、まとまった論著を公開するには至っていない。ただし、令和2~5年度科研費「摂関期・院政期僧俗の呉越・北宋との相互交流と思想的影響」(基盤研究(C)、課題番号20K00113)を獲得したため、所期の目的は達成したといえよう。