表題番号:2019E-111 日付:2020/04/04
研究課題絵画作品のスタイル典型度と感性評価の心理次元との関係に対する実験的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 助教 方 思源
(連携研究者) 早稲田大学人間科学学術院 教授 松居辰則
(連携研究者) 早稲田大学グローバルエデュケーションセンター 講師 田和辻可昌
研究成果概要
本研究は、ゴッホとゴーギャンの作品を実験刺激とし、絵画作品のスタイル学習が絵画作品に対する感性評価に与える影響を調査した。実験結果として、ゴッホのスタイルの場合、作品のスタイル典型度が高いほどその作品の神経質度が高く、また、神経質度とその作品への嗜好度の間に負の相関関係があるため、典型度と嗜好度の間に負の相関関係が検出された。一方で、ゴーギャンのスタイルの場合、作品の典型度と神経質度の間に相関関係がないため、典型度と嗜好度の間に相関関係は見られない。これらの心理関係が、被験者が作品のスタイルを未学習であっても検出されたので、これらの心理関係がスタイル学習の有無とは関係なく、各スタイルの感性的特性に規定されていると考えられる。さらに、各感性評価尺度での評価データの分散に対する解析により、スタイル学習が作品に対する個人内の感性評価の分散を小さくする効果を持つことがわかった。