表題番号:2019E-057 日付:2020/03/12
研究課題数理モデルを用いた上皮細胞の組織形成に寄与する力学的作用の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 助手 西川 星也
研究成果概要
 多細胞生物において、細胞集団は組織を二つの異なる形態を示す。すなわち、運動性が高く、細胞間の結びつきは弱い形態(運動形態)と運動性は低く、細胞間の結びつきは強い組織を形作る形態(組織形態)である。こうした形態間の遷移において細胞間の力学的な相互作用が果たす役割は明らかになっていない。
 運動形態における細胞間の力学的な相互作用を解析するために、最小の系である2細胞の相互作用の解析を行った。その結果、二つの細胞はランダムに伸ばした仮足同士が接着した際、その接着点を中心として引き合う運動を示すことが分かった。
 また、本研究で用いたMDCK細胞は複数の形態・運動を示すという物理的な性質を持つことが実験とトイモデルによって示唆された。