表題番号:2019E-054 日付:2020/04/18
研究課題分子集合を鍵とする、補酵素フラビンによる立体選択的バイヤービリガー反応の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) 准教授 山本 佳奈
研究成果概要

 当研究室では低環境負荷の生体内酸化反応を模倣した反応触媒開発に取り組んでおり、これまでに補酵素フラビン誘導体とアルカロイド2量体を組み合わせたイオン対触媒により、立体選択的バイヤービリガー(BV)反応を開発している。本課題はこの反応に関し、高い立体選択性を示す基質および触媒の原理的裏付けを同定することであり、助成期間中には(1)基質構造-立体選択性相関、および(2)反応律速を求める目的で速度論解析を行った。その結果、(1)電子効果による反応速度と立体選択性の制御の可能性、(2)Hammettプロットおよび同位体効果の解析により、反応律速が酸化剤の付加段階であること、が示唆された。今後は得られた情報を元に、本反応の基質汎用性および立体選択性の向上、位置選択性の制御などを目指す。