表題番号:2019C-741 日付:2020/04/06
研究課題前近代インド文化圏の美術理論に関する基礎研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 安岡 義文
研究成果概要
 本研究は、前近代のインド美術に焦点を当て、建築・彫刻・絵画に関する文書を分析し、当時の人々が持っていた美術に対する価値観の特質を抽出することを目的とした。西洋文化圏で知られるウィトルーウィウスやアルベルティの建築書、ならびに我が国で知られる木割書などの内容と比べて、インドの建築書は韻律法に則って書かれており、実用面のみならず宗教文書の性格をも持ち合わせた複合的な文書であると言える。さらに、Stella KramrischAlice Bonerなどによる既往研究が行ってきた図像作品に幾何学図形を多分にオーバーレイした分析に根本的な誤りがあることがわかり、古文書をより正確に解釈していくことで、美術作品の正しい理解に繋がることを指摘した。