本研究課題では，直流電気鉄道システムの高エネルギー効率化を目的とし，特に蓄電システムを分散的に配置した際の各システム間協調制御法を提案した。直流電気鉄道では，システム内の電圧変動が非常に大きく，絶縁等の観点から決まるシステム内の電圧の適正範囲の制約から，流せる電流が制限され，回生電力は頻繁に抑制される。そこで，提案法では列車の電圧上昇を抑制しつつ，電線での損失の最小化を実現することで回生エネルギーを最大限充電することを目指している。また，充電エネルギーが増加した分，積極的に放電を行う制御を行うことで，システム全体の高エネルギー効率化に寄与する。提案方法について，実在の路線を模擬した数値シミュレーションを構築・実施し，その省エネルギー効果を確認した。