表題番号:2019C-707 日付:2020/05/10
研究課題新発見の王陽明著作の出版と流布に関する基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 永冨 青地
研究成果概要

本課題に関連して、研究代表者である永冨青地は、研究論文「佐藤一斎は朱子学者か―『欄外書』の記載より見たる」(『土田健次郎教授退職記念論集』、汲古書院、pp279-29520202)を発表した。

本論文によって、佐藤一斎の陽明学研究の水準の高さが中国の学会に紹介されたことによって、佐藤一斎の著作の影印本を、永富が編集を行う、中国・鳳凰出版社の、王陽明著作の影印叢書に収録することが決定された。

 これは日本陽明学の水準の高さを広く国外に知らせる契機となりうるものであり、永富の本論文が、国際的な陽明学研究に具体的に寄与したことを証明しうるものである。

 さらに、本論文が機縁となり、永富は、中国社会科学出版社より刊行予定の『王陽明大辞典』において、日本陽明学の部分を担当することを要請された。同辞典は、中国における陽明学の現在の研究水準を代表するものであり、そこにおいても、佐藤一斎を代表とする、日本陽明学を紹介することが可能となったのである。これは日本陽明学を中国の第一線の研究者に紹介する上での好機であり、研究史の上で、一定の意義を有するものと考える次第である。