表題番号:2019C-665 日付:2020/02/19
研究課題アルベール・カミュにおける語りと空間
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 講師 佐々木 匠
(連携研究者) 文学学術院 講師(任期付) 佐々木匠
研究成果概要
本研究はアルベール・カミュにおける思想の発展に注目しつつ、それがカミュの創作活動や作品内にあらわれているかを示すことを目指した。成果としては、『シーシュポスの神話』以降のカミュが、本来は異なるもの同士を同時に維持しようとする思想の構造を獲得していたことを、「不条理」、「反抗」、「連帯」という思想を分析することで見定め、カミュ作品においては、「反抗」の一つとされた芸術もまた、「連帯」に結びつくことを提示した。また、カミュがエッセイや小説に取り上げる対象は見えない境界線によって隔てられているとの仮定を立て、特に、『最初の人間』における、母親、学校、アルジェリアという項目を分析することで論証した。