表題番号:2019C-648 日付:2020/02/18
研究課題信用と保険に対する貨幣の補完機能に関する理論研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 准教授 戸村 肇
研究成果概要
「信用が存在しうる環境でなぜ貨幣が必要になるのか」という研究課題については、「Nominal Contracts and the Payment System」という単著論文を書き上げ、査読付き国際学術雑誌であるInternational Journal of Central Bankingに投稿した。この論文では、貨幣を裁判所が認識できる債務返済手段(法貨)として位置づけ、その結果、貨幣が財市場での支払手段として使用され、また、日中当座貸越など、現在実際に行われている中央銀行による弾力的な貨幣供給が必要になることを理論モデルで導出した。介護のような社会保険支出の相互保険の機能を、法定通貨とは別の貨幣を社会に導入することで代替できるかについては、「Elderly Care and Multiple Monies」という早稲田大学現代政治経済研究所ワーキングペーパーの改訂作業を行った。