表題番号:2019C-632 日付:2020/05/04
研究課題朝鮮語学習者を対象とした「3段階イントネーションモデル」を使用した指導法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 准教授 山崎 亜希子
研究成果概要
 本研究は日本語母語話者を対象とした朝鮮語イントネーション教育方法の開発という大きな目標の一部として、単語単独形発話の発音に焦点を当てて取り組んだ。
 ソウル方言では、語頭子音の種類によって決まる2種類「LH」(L単語)と「HH」(H単語)の音調形があるが、単語単独形の発話では、この音調形規則が崩れることが指摘されている(宇都木昭 2004ほか)。
 本研究では1)市販の教科書音声を用いて、単語単独形の実現形(第1音節と第2音節のF0)を音響音声学的に分析・類型化、2)その結果を基に、「3段階モデル」(山崎亜希子 2013)を用いた解釈の妥当性を検証した。
 1)の結果、単語単独形では、i)L単語では「LH」「HL」の2パターンが出現する一方で、H単語では「HL」しか出現しない、ii)同じ「HL」で実現している場合でも「H」のF0(声の高さ)は「L単語<H単語」で実現することを明らかにし、単語単独形であっても「3段階モデル」で解釈できることを示した。