表題番号:2019C-579 日付:2020/04/22
研究課題量子井戸構造を用いた新規非線形光学材料の創出
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) 准教授 賈 軍軍
(連携研究者) 早稲田大学 教授 牧本俊樹
研究成果概要
高度な情報化社会を実現するため、現在Siフォトニクスをベースとする大規模電子・光集積回路をCMOS技術で実現することを進めている。この集積回路中に重要な構成要素の一つである高速光スイッチ素子は、高い非線形光学応答を示す材料が必要とされる。本研究では、量子井戸構造を用いた非線形光学材料を探索し、高い非線形屈折率を持つ新規光学材料の創出を目的とした。2019年度に、量子井戸構造の候補材料であるGaN/InN/GaN中の構成材料InN薄膜の非線形光学特性を評価した。波長800 nmにおいて、レーザ光を集光照射することによって光電界強度を高めていくと、InN薄膜の透過率が非線形的に増加することを観測した。さらに、自作したフェムト秒時間分解装置を用いて、この非線形光学現象の物理機構を検討した。本研究成果は光集積回路内における超高速光スイッチングや光ダイオードへの応用が期待される。