表題番号:2019C-560 日付:2020/04/08
研究課題アクチンフィラメントの協同性の物理機構
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 上田 太郎
研究成果概要

Actin filaments (AF)は、真核細胞内で多様な機能を果たしているが、われわれはAF内部のactin分子間の長距離に及ぶ協同的な構造多型性、すなわち長距離アロステリーがこうしたAFの多機能性に寄与すると考え、これを支持する状況証拠を提示してきた。本特定課題では、上記と関連していくつかの新知見が得られたが、紙面の都合から以下にそのうち二項目を記す。

DrebrinAFと協同的に結合しクラスターを形成することが先行研究で示されていたが、われわれは全反射蛍光顕微鏡を用いて、Drebrinクラスターがアクチンフィラメントにそって成長する様子を初めて可視化することに成功した。今後は、構造変化に方向性があるかを検討する。

Phalloidinに結合させたローダミンの蛍光が、AFの構造変化を反映して変化し、さらに構造変化がAFにそって伝播する様子をリアルタイムで観察することに成功した。