表題番号:2019C-523
日付:2020/04/10
研究課題関係論的平等主義の正義論の再検討
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 助手 | 宮本 雅也 |
- 研究成果概要
- 現代の社会正義論における関係論的平等主義の理論を責任の観点から再検討した。関係論的平等主義による運の平等主義に対する批判は、責任の観点からの批判として再構成する必要がある。運の平等主義の責任構想は、個人の過去の選択に阻害要因がなかった場合にその分配上の帰結を受け容れるように要請する。しかし、この責任構想では、個人の選択の背景に存在する社会構造の維持や変革のための負担・コストを引き受けることを責任の問題として要請できない。そうした社会構造に対する責任を個人に要請しなければならない。そうした責任の要請を個人の善の構想の追求の尊重の要請と適切にバランスさせる社会正義の構想を提示していく必要がある。