表題番号:2019C-507
日付:2020/05/07
研究課題フランス社会学の発展におけるタイドの影響:リシャールとの関係を中心として
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 池田 祥英 |
- 研究成果概要
本研究では、デュルケームの協力者であったが後に離反したリシャールの所説について、タルドの主張との関係という観点から検討した。リシャールは模倣概念をたびたび取り上げているものの、それを受動的、自動的なものに限定して解釈し、病理的なものととらえている点でタルドの立場と異なっている。また、犯罪の問題について、リシャールはそれを社会の危機的状態において生じるとしたうえで、模倣による犯罪の広がりについても言及しており、タルドに近い立場をとった。このようにリシャールはタルドの論点にある程度沿いながらも、特に社会における模倣の位置づけに関しては一貫してタルドに反対する立場を取っていたことが明らかとなった。