表題番号:2019C-501 日付:2020/06/23
研究課題横光利一の経済学受容に関する総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 助手 友添 太貴
研究成果概要
本研究では、これまでほとんど指摘されてこなかった横光利一の経済学受容を長編小説「寝園」「家族会議」の分析を通して明らかにした。従来、横光の経済学受容はマルクスに限られたものとされてきたが、横光が京都帝国大学経済学会の学術雑誌『経済論叢』を定期的に目にしていたことを明らかにし、その経済学受容が1930〜35年頃までのプロレタリア文学と新興芸術派(とりわけ久野豊彦)に象徴される、文学に経済学を取り込むことが盛んに議論されていた時代相に対する批評性を持つものであったことを明らかにした。