表題番号:2019C-431 日付:2020/04/03
研究課題魏晋南北朝時代中国北部の木版画の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 三崎 良章
研究成果概要
 嘉峪関新城墓群と高台駱駝城墓群・許三湾墓群で出土した木板画について検討し、以下のことが明らかになった。新城墓群では棺板画に伏羲女媧等の想像上の事物や天体が描かれるのに対し、その他の木板画には画像磚と同様な宴飲等の現実生活の場面が描かれる。一方駱駝城墓群・許三湾墓群の場合は、棺板画にも現実生活の場面が描かれるとともに、画像磚にも想像上の事物が描かれる。地域ごとに描く場所と画像の内容の関係に相違があることを知ることができる。また新城墓群の棺板画には画像磚に描かれる事物のうち糸束や反物、布といった絹製品は描かれる。絹製品は現実の物であるとともに想像上の世界にも存在するという特別な物と捉えられていたわけで、絹製品の特殊性も指摘できる。