表題番号:2019C-404 日付:2020/03/23
研究課題事態把握における日本語の主観性について-授受表現を中心に-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語教育研究センター 講師 鄭 在喜
研究成果概要
本研究では、初級レベルの日本語学習者を対象に日本語の授受表現の習得様態を、認知言語学の基本概念である事態把握(construal)に基づいて考察した。調査は、「あげる・もらう・くれる」のモノの授受について、絵を見て助詞と叙述部分を書かせる方法を用い、初級レベル日本語学習者10名を対象に行った。その結果、ほとんどの学習者が「くれる」の習得が難しいことが窺われた。これは授受表現における「くれる」は日本語の「ウチ・ソト」に対する理解が必要であるためではないかと考えられる。本研究の結果から、初級レベルから日本語の「ウチ」という概念とそれに繋がる日本語母語話者の事態把握の傾向に関する明示的な指導の必要性が示唆された。