表題番号:2019C-389 日付:2020/06/01
研究課題国際連盟における理事会の役割と安達峰一郎
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科 教授 篠原 初枝
研究成果概要
国際連盟において、日本の連盟代表を務めた安達峰一郎については、
これまでその少数民族問題での活躍が議論されてきた。
安達は、理事会においてその語学的能力と豊富な法律的知識を用いて、
ドイツ・ポーランド間の上部シレジア問題、トランシルヴァニア問題等について、
あるときは直接交渉を主導し、あるときは理事会での議論を先導し、問題の解決に
寄与したのである。
国際連盟においては、創設時の連盟規約においては、理事会において「報告者」を
設けることは定められてはいない。しかしながら、1920年代の半ばころから、各問題事項に「報告者」をあらかじめ割り振っていくことで、理事会での議論を円滑に進め、問題の解決を模索することとした。本研究では、どの国がどの問題を担当したかを、連盟の公式文書である Official Journal から調べた。その結果、ヴェネズエラやキューバといった中小国も、理事会の報告者となっていたことがわかった。