表題番号:2019C-349 日付:2022/09/12
研究課題グリア細胞の働きを導入した新しい人工ニューラルネットワークの数理モデルの検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 松居 辰則
(連携研究者) 人間科学学術院 助手 田和辻可昌
研究成果概要
人が特定の記憶を想起するまでに時間がかかることがある一方で,相互結合型ニューラルネットワークによる連想記憶モデルでは与えられキー入力に対して少ないステップで記憶したパターンを想起することができることが知らている.一方,人間の脳機能に関してはニューロン(神経細胞)の複雑なネットワークによって構成されているが,脳機能の中でも感情や情動に関してはニューロン以外の細胞,例えばグリア細胞の関与が指摘されている.そこで,本研究では,このような記憶特性の違いの要因としてグリア細胞の一種であるアストロサイトの有無を仮定し,連想記憶モデルにモデル化されたアストロサイトのはたらきを加えることで,想起過程にどのような変化が見られるか調べた.結果として,アストロサイトによる結合係数の調整の程度によって,異なる記憶パターンの想起や記憶パターン以外のパターンで振動する過程を,ニューロンの興奮性の調整によって,記憶パターンを想起後別のパターンへと遷移する想起過程が確認された.(下記,業績1)より引用)