表題番号:2019C-330 日付:2020/03/25
研究課題芸術における主題の意味:仏人画家モーリス・ドニのイタリア美術論から
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 福島 勲
研究成果概要
 本研究は、芸術における主題の復権について再考することを目的とし、その方法として、キュビズム全盛期に主題の復権を唱えたフランス人画家モーリス・ドニの美術論の一つ『イタリアの魅力と教え』(1933年)から出発した。ドニは、芸術から主題が消失していく新しい芸術潮流を尻目に、とくに中世からルネサンス期のイタリア美術への回帰を主張し、主題、とりわけ、宗教的主題の重要性を説いた。彼の美術論、扱われている作品、そして、その主題への着目を手がかりとして、主題へと回帰しつつあるかに見える現代の芸術作品の動向、具体的には、ジャン=リュック・ゴダールの映画作品に見られる政治的傾向を分析することを試みた。