表題番号:2019C-324 日付:2019/10/24
研究課題近現代都市における貧困の重層化プロセスと社会政策に関する歴史社会学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 武田 尚子
研究成果概要

ヨーク市を調査対象地とし、歴史社会学的視点から貧困の重層化プロセスについて、ヨーク市公文書館所蔵アーカイブを用いて分析した。貧困地域のハンゲイト、ウォルムゲイトはヨーク市内を流れるフォス川という小河川の両岸に位置する。ハンゲイトは標高が低く、頻繁に浸水する地区であった。当時の下水道設備は排水が悪いうえ、汚水をフォス川に流していたので、浸水するハンゲイト、ウォルムゲイトの衛生状態は悪かった。ヨーク市ではコレラ流行を契機に下水道の改善が進んだが、腸チフスの流行は止まず、ウォルムゲイト両地区が社会問題が集積している地区として特定され、綿密な公衆衛生調査が実施されるようになっていった。