表題番号:2019C-298 日付:2020/04/10
研究課題メコン地域の「人の移動」にかかわる各国政府の政策と人間の安全保障
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授 島崎 裕子
研究成果概要
 本研究は、「メコン河流域諸国(GMS:タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマー、中国)」の「人身売買」ならびに「移住労働」の現状を把握し、各国の反人身売買政策ならびに移住労働政策や対策を捉えた。本調査の結果、人身売買の蔓延かつ常習化、さらには被害者の移動距離の拡大に際し、各国の対応が現状追認型となっており、人間の安全保障の視点にたった時、被害者の「安全」が確保されているとはいいがたい。今後の各国政府の施策には、隣接国の連携のみでは不十分であり、国連、NGOなどの支援機関、各国政府が域内国と情報共有を一層行い、出国から帰国、さらには生活再建までのプロセス支援が必要である。また男女異なる特質性をとらえた支援対策の強化を掲げていくことものぞまれる。