表題番号:2019C-281 日付:2020/04/03
研究課題カンナビノイド受容体CB1のマイトファジーへの関与
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 助手 片岡 孝介
研究成果概要

先進国で高齢化が加速度的に進む中で、老化研究の重要性は高まりつつある。本研究では、加齢に伴う記憶能力の低下に焦点を当てて、その機構の解明を目指している。脳内で最も発現しているGタンパク質共役型受容体である1型カンナビノイド受容体(CB1受容体)は、脳の老化を抑制することが知られているが、その機構は不明である。また2016年、CB1受容体が海馬神経細胞のミトコンドリアにも発現していることや、ミトコンドリア局在CB1受容体が記憶に重要な役割を果たすことが示された。そこで本研究では、CB1受容体のミトコンドリア品質管理における役割を解析した。その結果、CB1受容体は、成熟期特異的にマウス海馬神経細胞におけるミトコンドリアのオートファジーおよびダイナミクス(分裂と融合による形態調節)を制御していることが明らかとなった。本研究成果は、Brain Research Bulletin誌に採択された(Kataoka et al., in press)。