表題番号:2019C-276 日付:2020/03/26
研究課題気液界面培養システムによる生体の構造・機能を有する腸管上皮モデル組織の作製
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 武田 直也
研究成果概要

医薬品や機能性食品等の開発に有用な、生体同様の形態と機能を有する腸管上皮モデル組織を構築した。腸管の内腔は気層に面するため、本研究では、気相に接した気液界面で腸管上皮細胞を培養できる、紙の上に高分子マイクロファイバーをマット状に紡糸した二層構造からなる培養器材を開発した。上層の高分子ファイバーで高い細胞接着性を実現し、下層の紙に保持した培養液をファイバーの間隙から上層へ供給して気液界面培養を可能とした。作製した腸管上皮モデル組織は、小腸に特有の絨毛突起様の三次元構造体を形成し、apical面には微絨毛や細胞間には密着結合が形成された。また、消化酵素や薬物代謝酵素も発現し、粘液産生能が顕著に増大した。