表題番号:2019C-275 日付:2020/03/20
研究課題完全アンモニア酸化能を保持するComammox細菌の分離培養と生理生態特性の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 常田 聡
研究成果概要
近年,亜硝酸酸化細菌として知られていたNitrospiraの一部がアンモニア酸化能を持つ完全アンモニア酸化(Comammox)細菌であることが明らかとなった。本研究では,多量のアンモニア態窒素が施肥された茶園の酸性土壌に着目し,Comammox細菌の集積を試みた。50 mMの過剰量の塩化アンモニウムを含む培地をリアクターに供給した際に,pH 6.0の酸性条件下で硝化活性の上昇がみられた。その後pH 5.5に低下させると発生する硝酸濃度は低下したものの,硝化活性は維持された。アンモニア酸化酵素遺伝子amoAに基づき,Comammox細菌の構成を解析した結果, clade Aに属する2つのグループが集積されていることがわかった。これらは,遺伝情報的にも生理学的にも新規性を持ったグループに属すると考えられる。