表題番号:2019C-264 日付:2020/04/10
研究課題新たな擬面不斉ピリジンの設計・合成と不斉触媒機能評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 鹿又 宣弘
(連携研究者) 先進理工学研究科化学・生命化学専攻 修士課程1年 菊池惇人
(連携研究者) 先進理工学研究科化学・生命化学専攻 博士課程3年 宮下裕輔
研究成果概要

10炭素の架橋鎖を有する面不斉ピリジノファンは不斉触媒として高い立体選択性を発揮するものの,反応中にラセミ化が起こることが課題であった.本研究では高い熱安定性を付与した新たな縮環擬面不斉ピリジンを設計し,シクロプロパン化における触媒機能を検証した.その結果,ピリジン窒素近傍にヒドロキシ基を導入した触媒が最大95% eeで所望のトランスシクロプロパンを与え,高エナンチオ選択的かつ高ジアステレオ選択的に反応することを見いだした.本反応は触媒の擬面不斉部位に立体特異的であり,ヒドロキシ基を除去すると不斉収率が大きく低下することから,高い不斉誘起能の発現にヒドロキシ基の導入が極めて有用であり,優れた不斉触媒として機能することが示された.