表題番号:2019C-254 日付:2020/04/05
研究課題三体力学系のダイナミクスと重力波
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 前田 恵一
研究成果概要

自然界には連星のような2体系以外にも3体や4体の力学系が数多く存在する。そのような系は非可積分系で、カオスなど従来にない振る舞いを示すため、そのような系からどのような重力波が放出されるかを解析しておくことはこれからの重力波天文学にとって非常に重要である。本研究では、3体系でも比較的規則正しく運動する階層的3体系からの重力波についての研究を行った。この階層的3体系においては、古在・リドフ機構と呼ばれる重要な効果が現れ、内部連星軌道の離心率が周期的に変化する。特に、その離心率が大きくなるフェイズで重力波放出量が非常に大きくなり、LISAなどの宇宙空間における観測計画で観測可能となることを示した。