表題番号:2019C-239 日付:2020/02/18
研究課題戦後日本の科学批判に関する研究―吉岡文書の保存と活用に向けたアーカイブの構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 綾部 広則
研究成果概要
本研究の目的は、吉岡斉(1953-2018)が遺した史料を整理・保存することで、戦後日本の科学批判を歴史的な観点から検討するための足がかりを築くことにあった。吉岡の文書のなかには、原子力や戦後日本の科学技術史をたどる上で重要な史料が多く含まれている。したがって、これらの史料を散逸させず、適切に保存することは、現代のわれわれが行うべき重要な仕事である。しかも史料のなかには多くの人々と共有することが望ましいものが多く含まれている。しかし紙媒体のままでは、誰もが閲覧可能な状態にするのは難しく、実質的に死蔵に近い状態となる可能性がある。また紙媒体のまま多くの人々が閲覧すると史料が痛む可能性がある。そこで紙媒体史料の電子化を行った。いずれにしろ、本研究によって、吉岡が遺した史料のほとんどを散逸から守ることができた。今後はこれらの史料をつぶさに分析することで、『年報科学・技術・社会』で提示した仮説の妥当性を検討したい。